2013年1月6日日曜日

「僕たちは島で、未来を見ることにした」




僕たちは島で、未来を見ることにした

島根県の離島、海士町(あまちょう)で巡の環という会社を起業した

阿部さんと信岡さんの本。

発売日にAmazonで買って、昨日読み終えた。

大学3年の時に2ヶ月くらい海士で過ごしたっていうのと知り合いが巡の環で働いてたっていうのもあって、

発売前からとても楽しみにしてた1冊。


本の帯に

”「社会が変わるとき、
自分たちはどこに居たいだろうか」
僕たちが選んだ場所は
ニューヨークでも、東京でもなく、
島根県の離島、
隠岐諸島にある海士町だった。
そして僕たちは
その島で「学校」をつくるべく、
起業したー。
離島で起業した著者による、
島と地域と未来の入門書!”

とあるように、
人口2300人の離島海士町で巡の環という
持続可能な地域づくりを行う会社を2008年に設立してから
今までのことが書かれてる。

阿部さん(1978年生まれ)は京大の大学院卒でトヨタをやめて、海士へ。
信岡さん(1982年生まれ)は同志社大卒で東京のITベンチャーをやめて、海士へ。

本の最初の方にもでてくるんだけど、
移住した理由は決して都会の生活が嫌で・・・とかいうネガティブな理由ではなく、
海士で持続可能な社会モデルを創るという挑戦のため。

海士での色んなエピソードがとっても、
ひとつひとつ温かくて、
ていねいで、
とてもいい感じ。

自分としては、一番印象的だったのが、
二人が海士に移住した理由。

二人に共通してるのが、
移住する前はなんとなく「今のままの生活でいいのだろうか?」
って考えてたってこと。

信岡さんの場合、東京でバリバリ働いてたのに、
阿部さんも、天下のトヨタに勤めながら、平日は仕事、週末は趣味のアウトドアを楽しんで、
幸せな生活だったんじゃないのかな、って思うけど、

それとはもっと違う、
自分自身の人生に向き合ってる感覚が欲しくて、
海士に移住したんじゃないのかなと思う。

そして、
海士の方に、それを受け入れる土壌があった。


あともう一つ印象的だったのが、
本の中にでてくる京都の料理人の方のお話。

「今の時代、私たちは食べていくのはどうにかなるようになりました。
そんな時代にあって、私たちは何をすべきなんでしょうか?私は後世に何か
伝えることだと思う。自分は食というものを通じて、『命をいただく』という姿勢
命の大切さを感じるための料理の在り方を後世に伝えようと思うてます。」

っていう言葉があって、

人って、

なんとなくだけど、

”役割”と”居場所”があれば豊かな暮らしができるのかなって。


人って、っていうか自分は・・・か。


その人の役割が在るってことは、

その人の居場所が在るってことだから。


って考えると、阿部さんとか信岡さんは海士で自分たちの役割や居場所を見つけたのかなて。

たっくさんすごいなぁと思うところはあるんだけど、

それを見ず知らずの土地で見つけて、見つけてというか、

自分たちで役割や居場所を創っていってるっていうのがすごいなぁと思う。

もちろん周りの人の色んな協力があってこそのことなんだろうけど。



何が幸せかっていうのは人によってそれぞれだと思うけど、

もちろん最低限大切な人を養えて自分たちが食べて行くだけのお金は必要で、

お金が最低限あったら、

より自分の役割や居場所があるって感じられる働き方や暮らし方のほうが幸せなんじゃないのかなって、

そしてそんな風に思える場所は一人一人ちがってて。

都会かもしれないし、田舎かもしれないし、海外かもしれないし、
離島かもしれないし、商店街かもしれないし。

この本を読んでそんなことを考えさせられた。

阿部さんが本の中で「くらし」「しごと」「かせぎ」のバランスが大事って言ってたみたいに。

そして、

そんな自分の役割や居場所を創っていく一つの事例として

とっても参考になる。


後は地域コーディネーターとしての役割で、
「複数の関係者の期待値を調整すること」っていうのも共感。

さらにコーディネーターとして、
段取りを組んで何か仕掛けをつくって人を巻き込んでいく力っていうのも。


この辺、とっても、自分にとって欲しい力。。。


最後にエピローグでのとってもいいなって思った部分を紹介。

”海士に来た一番の理由は、実践者という姿に憧れてだとは思いますが、
実践してみると、いいことなんて本当に少しで、大変さばっかりです。
その代わり、実践しない限り味わえないご褒美があるのだと思います。
それは同じく実践している人の温かさが分かること。
そういう人と飲む、「お疲れさん」のお酒が本当に美味しいこと。”(信岡さん)

”学生時代から悩んでいた、このままの僕たちの生き方に未来があるんだろうかという
疑問に向き合い、自分が見たいと思ってた未来に近づいてる気がします。
これは自分の人生をかけた人生実験です。”(阿部さん)


地域づくりの参考書としてももちろんだけど、

生き方の参考書っていう感じで、

ずっと大切にとっておきたい素敵な1冊。


ありがとうございます。





2 件のコメント:

  1. げん、ステキなコメントをありがとうねー。がんばってつくったつもりではあるけど、読者にどう伝わるのか、なかなか分からなくて。伝えたいと思ったことが伝わったような気がして、嬉しいです!!

    せっかくなので、この本のHPで紹介させてもらうとかいうのもありかなぁ?
    http://megurinowa.jp/bokushima/

    阿部

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    1. 阿部さん HPでの紹介全然OKです!

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